種子島に新しい歴史小説が登場!!

はごろも  谷口元子著

鉄砲が伝来する以前の中世種子島には、日本最南端と言われる武家社会があった。そこで、全島が一斉に改宗するという史上稀な一大事が起こった。未だ謎の多いこの史実を、作者の鋭い推理と創作により男たちのロマンとして描き上げた

 

 

人はその人生において多かれ少なかれ過ち(罪)を犯し、やがて相応の報い(罰)を受ける。そのことを自覚することこそが救い(幸福感)ではないかという作者の思いが感じ取られる。

[あらすじ]

 時は室町中期。種子島家十代当主幡時の弟喜道は元服と同時に仏門に入った。律宗の僧侶となるべく種子島家菩提寺慈遠寺で修行を続ける喜道だったが、幡時の名代として日向細島で黒木孫左右衞門の一人娘紗江に出会ったことで、思いがけずその後の種子島の政治・宗教に深く関わっていくことになる。紗江は兄幡時の側室となるべき人だったのだ。

 また島の人々に信頼されていた兄弟子義賛は日蓮法華宗に改宗し、律宗派の喜道と激しく対立することになる。

 十一代島主を誰にするのか。跡継ぎ問題や宗教問題をはらみ、その後の種子島は大きく舵を切っていくことになる。

 信じるとは、愛するとは、罪とは何か。

 応仁の乱前夜の混沌とした時代の種子島にあって、悩みや苦しみに立ち向かい、生き抜いた男の物語。 

[読者の声]

●本が薄く読みやすかったので一気に読み終えることができました。読み進めていくと、これは本当のことなのか、どの史料を参考にこの本を書いたのかということを知りたくて仕方がありませんでした。著者のあとがきみたいなものがあればと思いました。(島内、男性)

解説に鮫嶋氏が挙げておられる「種子島家譜」、「御家年中行事」に出てくる史実をもとに「はごろも」は書かれていますが、もともとは種子島にある文化伝承館〈月窓亭〉で承ったお話が出発点です。この他にも興味深い史実が種子島にはたくさんあります。鮫嶋氏の「写真で見る種子島の歴史」には、カラー写真と簡潔な説明があります。私も参考にさせていただきました。(著者

●美しい紗江と喜道の悲恋、大塚の処刑シーンと喜道の最期のシーンは悲しく美しい。作品の随所に散りばめられた「はごろも」のイメージが儚くて夢をみているようでした。(鹿児島県、女性)

●大変面白かった。種子島の歴史をもっと知りたくなった。カバー写真もすばらしい。(島内、男性)

 ・中身の一部をごらんになれます。

ISBN978-4-9904915-3-6、B6判、本文90ページ、定価715円(税込)、送料無料

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